健康診断ではさまざまな数値を図るものの、専門的な用語が多く、異常値な部分があって初めてその検査が何を意味するのか調べ始める方も多いことでしょう。
今回はその中のひとつ「HbA1c」についてご紹介します。
糖尿病に関係するHbA1c
高血糖の状態が続くことで、余分なブドウ糖は体内中のタンパクと結合します。
このときに赤血球中のタンパク(ヘモグロビン)がブドウ糖と結合するとグリコヘモグロビンとなりますが、その中で糖尿病と関係が深いとされているのがHbA1cです。
つまりヘモグロビンA1cの値が高いと、糖尿病の可能性も高まるということです。
肝臓と糖尿病の関係
糖尿病は遺伝的になりやすい体質の人が、生活習慣の乱れなどによってなるケースが多くみられます。特に飲酒、食生活は最重要になります。
飲酒&食事をした後は血糖値が上がりますが、このとき暴飲暴食であればあるほどインスリンが過剰分泌され、肝臓が余分な糖を吸収します。
それが日常的に続くことで肝臓はどんどんと糖をため込み、脂肪肝となっていくのです。
機能がどんどんと落ちてきた肝臓はそのうち糖を血液中に放出し、血糖値が上がる結果に。これにより糖尿病が悪化することになります。
さらにこの状態が続けば、内臓全体が十分に機能していない状態となりますから、肝臓、すい臓の疲労は限界に。糖尿病の悪化は、脂肪肝や肝硬変だけでなく、体全体の機能を衰えさせるのです。
そのため、糖尿病の人は肝臓の数値が悪いことが多く、逆に肝臓の数値が悪いことで糖尿病の疑いがあると判断されることもあります。
どちらにしても肝臓と糖尿病は非常に関わり合いの深いものなのです。
HbA1cがいくつなら糖尿病の可能性あり?
HbA1cの国際基準値は、2012年4月からNGSP値に変更になりました。
これによりそれまで使われていたJDS値より基準値が0.4%上がっているので、過去の診断結果と照らし合わせて確認するときは、基準値の違いも考慮しましょう。
ちなみに、良いとされる数値目安(NGSP)は6.2%未満~6.8%。それ以上は糖尿病が疑われるため、6.5%あたりを目安としてください。
肝臓の値ばかり気にしすぎていると、糖尿病の可能性を見逃してしまうことも。健康診断の結果を見るときは、A1cの値も忘れずにチェックしてみてくださいね。