肝臓の数値が高いという診断があった方は日頃のバランスの良い食事が必要です。
バランスの良い食事と一言でいいますが、具体的にはどのような食事なのでしょうか。
簡単に言ってしまうと様々な栄養素をもつ食材を偏らずに適切な量をとるということです。
主な栄養素には糖質、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルといった5つの種類があります。
ご飯やパンなどの糖質は肝臓でグリコーゲンに分解され貯蔵され解毒などに使われます。
肉類、魚介類、卵、大豆などのたんぱく質は肝臓の働きに必要な多数の酵素の素になります。
また破壊された肝細胞を再生します。
油などの脂溶性ビタミン(ビタミンA,D,E,K)は肝臓での代謝に役立ちます。
緑黄色野菜、果物、いも、豆類などに含まれるビタミンは身体の機能を正常に保つ為に必要な栄養素です。
ビタミンBは肝機能を正常に保ち、解毒作用を助け、肝臓に進入したウィルスの増殖を防ぎます。
ビタミンCはコラーゲンの生成を促進します。
ビタミンEとB2は脂質の代謝を助けます。
ビタミンA、C、Eは活性酸素を抑制します。
ビタミンUは肝細胞の修復を促進します。
野菜、果物、イモ類、海藻、魚介類などに含まれるミネラル(亜鉛)は代謝に必要な酵素を作ります。
そのほかには脂質の取りすぎを予防し便秘を防ぐことで肝臓への負担を減らす為に食物繊維が大切です。
そのほかにファイトケミカルと言われる食物のもつ抗酸化物質で動脈硬化や癌などの発生を防ぐ栄養素もあります。
緑黄色野菜や香草、ハーブ類、果物、ゴマに多く含まれます。
以上の栄養素をバランスよく適量摂取することが大切です。
肝細胞は破壊されても再生する力があります。
そのためには良質のたんぱく質が必要です。
健康な人が一日にとりたいたんぱく質の量は男性が約70グラム、女性が約60グラムです。
肝機能が低下している方は男性が80~90グラム、女性が70~80グラムを目標に摂取するとよいでしょう。
たんぱく質は20種類のアミノ酸が結合してできています。
そのうちの9種類は人間の身体では生成できず食物から取り入れることになります。
これらのアミノ酸を必須アミノ酸といいます。
たんぱく質の優劣はこのアミノ酸の構成で決まります。
つまり必須アミノ酸を豊富に含むバランスよく含むものを良質なたんぱく質というのです。
ただ良質なたんぱく質は高カロリーの食物が多く毎食取り入れるわけにもいきません。
いろいろな食品と組み合わせて理想的なたんぱく質をとることが大切です。
ここで肝臓病の方に必要な摂取カロリーを計算してみましょう。
まずは標準体重を計算します。
身長(m)×身長(m)×22= が標準体重です。
ウィルス性慢性肝炎の方は30~35㌔カロリー(標準体重1㎏あたり)
アルコール性脂肪肝の方は25~35㌔カロリー
アルコール性肝硬変の方は30~35㌔カロリー
肥満性脂肪肝の方は25~30キロカロリー
を標準体重にかけると必要な摂取カロリーが求められます。
脂肪肝などの方は摂取カロリーをできるだけ抑える為にも調理法にも工夫が必要です。
油で揚げるよりもオーブンで焼く、炒めるよりは蒸す、普通のフライパンで焼くよりも油で焼くよりもフッ素樹脂のフライパンで油を減らして焼くカスタードクリーム(卵黄、牛乳)よりも豆腐で作ったクリームの方がヘルシーです。
また油の種類も気を使った方がよいでしょう。
オリーブ油やひまわり油はオレイン酸が入っており血液の流動性を高め血中の善玉コレストロールを下げずに悪玉コレストロールを下げるので動脈硬化や心筋梗塞の予防に役立ちます。
また腸の運動を活発に便秘を防ぎます。
亜麻仁油、えごま油、しそ油はαーレノリン酸が入っており体内でEPAやDHAに変わります。
アレルギー症状を減らしたり血中の善玉コレストロールを下げずに悪玉コレストロールを下げます。
また、脳神経の発達を助け認知症の予防に役立ちます。
今回はDPAが豊富なかじきまぐろとオリーブ油を使ってかじきまぐろソテーの黒酢を使った野菜ソースがけを紹介します。
材料:4人分
- かじきまぐろ100g
- 塩・胡椒少々
- 小麦粉少々
- オリーブ油小さじ2分の1
- 玉ねぎ10g
- トマト20g
- きゅうり10g
A:黒酢大さじ1と2分の1、オリーブ油小さじ2分の1、塩少々、胡椒少々
作り方
1.かじきは水気をキッチンペーパーなどでふき取り塩、胡椒し小麦粉をまぶす。
2.フライパンにオリーブ油をいれ熱し①のカジキ鮪をいれ両面をきつね色になるまで焼く。
3.玉ねぎはみじん切りにする。トマトは種を取り除き5ミリ角に切る。きゅうりも同様に切る。
4.ボールにAを合わせ3を加えてソースを作る。
5.器にソテーしたカジキを盛り4のソースをかけて出来上がり。